「もうちょっと綺麗に書けないの?」
「丁寧に書いているつもりなのに……」
そんな思いで子供が書いている字を見ている親御さんは多いと思います。
小学生のうちに、少しでも綺麗な字が書けるようサポートしてあげてみませんか?
「子供の字が汚い」と悩んでいる親御さんへ、簡単にできる子供の字を綺麗にする方法7ステップと、子供が嫌にならない注意の仕方にも焦点を当ててみていきます。
目次
子供の字が汚い3つの原因
子供の字が汚いのには大きく分けて3つの理由があります。
字の形がわかっていない
実は字の形が正しく理解できていないと、きれいに書けないと言っても過言ではないほど難しいのです。
例えば、「鬱」という漢字を読めたとしても、実際に「書いてください」と言われるとなかなか書けません。
ところが、「檸檬」という漢字であればたとえ難しい漢字であっても、「木へん」に「丁寧の寧」と言われれば「檸」という字は書けますよね?
このように、自分が知っているものを書くのは難しくありませんが、知らないものを書くというのは大人であっても難しいというもの。
それは知識の少ない子供であればなおさら無謀だということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
字の書き順が間違っている
一度覚えた書き順はなかなか訂正できないものです。
この書き順をしっかり正しく覚えていなければ、正しい字の形にならないことをご存知でしょうか?
例えば、「右」と「左」では1画目の入り方は異なっています。
「右」は上から左斜め下にはらう線を、「左」は左から伸びる横線から書き始めます。
これは、人間の腕の形からできている漢字ならではの書き順なのですが、この書き順1つで綺麗な字・正しい形が書けるかが決まります。
書くスピードが速い
「ゆっくり」「丁寧に」書くということは大事ですよね。
しかし、子供はスピード命!
何でも早く行動をしたがります。
そのため、ゆっくりと書くことが難しいと言えますね。
子供の字が汚いことで起こるデメリット
子供の字が汚いと、色々なデメリットが起こってしまいます。
私が身の回りで見聞きした経験を3つご紹介しましょう。
先生に分かってもらえずテストで減点されてしまう可能性がある
例えば、綺麗な字で解答してあった場合、誰もがその答えが正解かどうかは一目瞭然です。
しかし、汚い字で書いてあった場合、その答えがたとえ正解であったとしても、見る先生からすれば字が判別できないこともあります。
そうなると、せっかく正しく理解していて100点がもらえる内容のテストだったとしても、実際には低い点数をつけられてしまうかもしれません。
自分で読み返せないので授業の復習ができない
あまりにも汚い字でノートに書き残してあると、その汚さから子供自身でも読み返して何が書いてあるのかわからないという事態にもなり得ます。
その場合、もちろん自宅での復習もすることができません。
大体は教科書に書いてあると言っても、ノートがいらないということはまずありません。
汚い字は直らないので大人になっても汚い字のまま
汚い字をそのまま何も気にせずに書き続けていくと、それがクセになってしまいます。
一度クセになってしまった字は本人が気づいて努力・改善をしなければ永久にそのままです。
そのため、大人になっても同じような汚い字を書き続けることになってしまいます。
大人になって、いざ字を書く状況になったときに恥をかいてしまう人はまさにこの「後悔」をしてきた人と言えますね。
子供の字が汚いのをどうやって注意すればいい?
大人から見てすぐに「汚い」と感じてしまう子供の字。
その注意の仕方次第で子供のやる気を育むのも削ぐのも大人次第です。
どのように注意をすれば良いのか、要点を挙げてチェックしておきましょう。
「なぜ?」を聞いてみる
「汚いから綺麗に書きなさい」と頭ごなしに言うと誰でもいい気分はしませんよね?
子供の字が汚いのには必ず理由があります。
まずは「何でこう書いたの?」と聞いてあげてください。
それが「やる気がなかったから」とか、「書きたくなかったけど書いた」といった本人の怠慢からくるものなのか、もしくは「頑張ってるけど……」や「綺麗に書けない!」といった根本的なものなのかによっても対処の仕方は変わってきます。
「どうやって書いたの?」と聞いてみる
子供にストレートに「汚い字よ」と言う前に、子供が実際に字を書いているところを見たことがありますか?
どのような鉛筆の持ち方をして、どのような姿勢で、どのくらいのスピードで書いているのかをまず見ることをしてください。
鉛筆の持ち方や姿勢は小学校1年の時に習います。
こちらの動画で正しい持ち方ができているかをチェックしてみて下さい。
そして、書くスピードがあまりにも速く、ササっと書いているかどうかを見てあげてください。
「汚くなってしまう理由」を教える
上のチェックをした時に、どれか1つでも気になることがあれば、それを正すようにしてあげましょう。
もしも難しいようであれば、一緒にしてみてあげることも大切です。
「もっと丁寧にゆっくり書こうね」と教える
ここで初めて子供の字が汚いことを教えてあげます。
「気づく」ことも大切で、今までのチェックをした理由が子供にとっては必要。
↓
悪いところを直そう!
と気づけると子供は早いです。
ただ、ここでは字を書く時の丁寧さについてチェックをしますので、形は大人も一緒に見直しながら直させていくという段階の準備として考えてください。
字の書き順・形をチェック
最終段階として、子供が書いている字の書き順と形をチェックしましょう。
この書き順は、大人でも間違って覚えている人が多いため、本当に正しい書き順かどうか、また現在の漢字指導において昔習った書き順と違う部分もありますので、自分がいつも書いている書き順を盲信せずに再度子供と一緒にチェックしていってください。
子供の字を綺麗にする方法7ステップ
実際に我が家でも実践している子供の字を綺麗にする方法をステップ7つ踏みながら紹介していきましょう!
小学1年生から出来る方法ですので、「まだ無理ね~」と楽観的に捉えずに是非実践してみて下さい。
ステップ1~ミミズ
まずはミミズを書きましょう!
「え?ミミズ?」と思う方大多数!
わかります(笑)
ミミズ、つまり1本線を子供に書かせます。
「線を書こう」と言うとだらける子でも、「ミミズを書こう」と言うと絵を描くことが大好きな子供は途端にやる気が出ます。
回数は決めず、「なんとなくきちんとまっすぐに書けてきたなぁ」と判断できたら結構です。
ステップ2~ヘビ
次はヘビを書きましょう!
ミミズが一本線なのに対し、スマホの絵文字でも出てくるように、ヘビの絵は大体波打っていませんか?
その要領です。
もちろん、ただ1本の線を波打つように書いているだけでもOK!
ステップ3~たまご
次はたまごを書きましょう!
ニワトリでもダチョウでもカメでも何のたまごでも大丈夫です。
こちらでは、チェック項目として書き始めと書き終わりがずれずにきちんと〇になっているかを確認してあげてください。
ステップ4~渦巻きキャンディー
甘いものが大好きな子供であれば一度は夢見る渦巻きキャンディー。
大体駄菓子屋では200円程度でしょうか?
そんな渦巻きキャンディーを書きましょう!
棒があって、その上にはぐるぐるっと渦が書けていることを見てあげてください。
ステップ5~かたつむり
字を丁寧に書く前準備としての最終段階!
かたつむりを書きましょう!
こんな感じで我が家では8マスのプリントに書かせました。
先に渦を書かせてから顔を書きます。
これで「文字を書くのに必要な全ての線」が練習できました!
ステップ6~字の形チェック
ここからは実際に文字を書く練習に入ります。
大人が普段書く字も一緒にチェックしてみましょう。
ここで注意なのは、「活字と筆記文字は違う」ということです。
新聞の文字を参考にするのは絶対にやめてください。
それよりも、子供のワークやインターネットなど、実際に筆記文字として書かれているものを使ってください。
例えば、新元号が発表されたときに「違和感」を覚えた人はいませんか?
「令和」と活字では印刷されていますし、実際に発表に使われた時に揮毫された文字も「令和」となっていましたね?
ですが、この「令」は自分で書こうとすると少し難しさを感じると思います。
この「令」は昔で言うところのワープロ文字、今で言えば明朝体に当てはまります。
しかし、教科書体では以下のように書きます。
筆記文字としてはどちらでも可とされていますが、学校ではこちらの教科書体が使われていますので、一度確認してみましょう。
もちろん、どちらの書体であっても「正しい形」は決まっていますので、その正しい形が書けているかどうかをチェックしてください。
ステップ7~書き順をチェック
文字の形がチェック出来たら、次は文字の書き順をチェックしながら正しい書き順で文字を書いていきましょう。
文字の形は書き順に原因があることがほとんどなので、この書き順を正して書いていくと自然と正しい形の文字が書けるようになります。
ちなみに、こちらが私の娘が書いた練習前と練習後のあ行の比較です。
少し文字のバランスが整った気がしますね。
もちろん1度の練習だけではすぐに綺麗な字を書くことは難しいですが、継続して行うことで徐々に字がうまく書けるようになっていきますよ。
大人になって自分の字に困らないよう子供のうちから綺麗な字の練習を
- 子供の字が汚い理由は、適当に書いていたり、正しい形や書き順がわかっていなかったり、何でもパパっとしてしまうと様々な理由がある。
- 子供の字が汚いと、テストで減点されたり、自分の字が分からず復習できないだけでなく、クセになってしまうと大人になって恥をかいてしまうことになってしまう。
- 子供の字が汚いとストレートに伝えるのではなく、段階を追って「原因」をつかみながら伝えるようにしましょう。
- 子供の字を綺麗にするステップは、「ミミズ」「ヘビ」「たまご」「渦巻きキャンディー」「かたつむり」「正しい形」「正しい書き順」の7つのステップを踏んで練習しましょう。
子供のやる気のバロメーターをつかんでいるのは大人です!
いかにやる気を削がずに育んでいくかが、大人になって自分の字に困らない子供の育て方のポイント。
長い目で子供と一緒に綺麗な字への階段を上ってあげてくださいね。